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moonwalker

大月町での風景づくり活動日記

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月光桜(アシズリザクラ)の幸運(その2)

 この日も井上さんに付き合って、月光桜の調査活動を行う。
午前中の現地調査に続いて、午後からは月光桜の地主の1人である前野さん(80歳)のお話を聴いた。
この地区では、桜の開花によって種籾を蒔く「種籾桜」という桜があったり、農作業の目安として利用してきた。 この桜も自分が小さな頃からこの山に変わった桜があることは知っていたが、それほど価値があるものとは思っていなかったそうである。
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 戦後、国の事業を使って農地の区画整理事業を行うことになり、この時、月光桜のある山もその区域に入ることから、山師を使って山全体の立木を伐採することになった。
山の伐採は順調に進んだのだが、何故か山師はこの桜だけは切ろうとしない。
 「何故桜を切らないのか?」
その理由を尋ねると、山師は
「この桜には山の神を祭っていただろう?」
と言った
確かに、この桜には以前から山の神が祭られていたのだが、この事業が始まることがわかってから、すでに別の山に移設していたのである。 その事を山師に伝え、再度切るように依頼したものの、山師はこの桜を切る事をしなかった。 いや、切る事ができなかったそうである。
そうこうしている間に、この事業自体が消滅してしまい、幸運の桜は更に大きく枝を広げる事ができたのだが、前野さんも当時の事を語りながら
「(山の神のお陰で)切らんで良かったね」
と、笑顔で話してくれた。

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